「年金の支給開始年齢で厚労省
引き上げ時期 前倒しも
2011年10月8日 日経新聞 5面」
厚生労働省は年金の支給開始年齢の引き上げについて、引き上げ時期の
前倒し案も検討する方針を決めた。
「案も検討する方針を決めた」
例によって、というビミョーな表現ですね。
実際経済界や労働界には反対意見が強く、実現できるかは不透明の
ようです。
今は出来ないけれど、「検討するぞ、検討するぞ」と牽制しているよう
にも思えます。
いつか実行に移すためのジャブを打っている感じですね。
記事によると、検討になるのは三つ。
ひとつは、現在段階的に受け取り開始時期を65歳に引き上げている
部分の、スケジュールの前倒しです。
ようやく年金を受け取れてゴールインかと思ったら、急にゴールを
先延ばしされるというわけで、これから定年を迎える年代の方が
引っかかってきます。
二つ目は、支給開始年齢を68歳や70歳に上げてしまうというもの。
現役世代にも大きく影響します。
仮に年金が月額23万円受け取れたとすると、
1年間で 276万円
2年間で 552万円
3年間で 828万円
4年間で 1104万円
5年間で 1380万円
が受け取れなくなる計算になります。
ちなみに1000万円を30年で積み立てようとしたら、毎月2万7777円を
貯金しなければならず、ライフプランの見直しも迫られます。
三つ目は、現在年金受給者が働いて収入を得ると受け取る年金が
削減される制度を縮小し、お年寄りにも積極的に働いてもらおう
というもの。
高齢者に優しい制度変更のようにも思えますが、そもそも働けない
高齢者との差が広がることや、反面若者の雇用機会が減る可能性も
あるなど、いいことばかりでないかもしれません。
いずれにせよ、「検討はしてるぞ」というメッセージ色の強い
記事だと感じてしまいます。
いずれはそんな時代が来るのでしょうか。
「30年後も笑顔」でいるためには、まだまだ考えないといけないことが
たくさんありそうです。
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